「……えぇ、分かったわ。それじゃあ明日……」
(ピッ)
――……私の名前は“黒猫”、千の葉が舞い散る街に住まう闇の儕。
“此方の世界”では人間として暮らしている。
今の電話の相手は……つい最近出会った人間の雄。
様々なことがあった今年も明日で最後となる。
その最後、年越しの瞬間を一緒に過ごさないかと誘われたのだ。
正直、この男は口を開けば変態発言ばかり繰り返し、
私に不快な思いをさせる常習犯であるのだが、何故か……よく会ってしまう。
この“闇の眷属”である私が、一体何故……?
まさか……。
……何か、とんでもない事を自分で思い付いてしまいそうになったので
この辺りでやめておこう。
今は明日の約束に備えて、早めに眠ることにしよう。