名前:黒猫

『運命の記述』46冊目

流石は闇の眷属

「……紅白歌合戦を横になって観ていたらそのまま眠ってしまったと。
まあ、よくある話ね。……それで、言い訳はそれだけかしら?」


 どうせ寝過ごしているのだろうと薄々思っていたが、全くその通りだった。
この人間の行動パターンなんて手に取るように分かる。
髪もボサボサ、慌てて外に出たのだろう、コートのボタンを掛け違えている。
自分から誘っておいてこの体たらく振り……怒る気も失せた。


「まあ、0時までには間に合ったから、良いわ。
それより……ボタン、掛け違えているわよ。直しなさい。
この私と年越しの瞬間を過ごせるというのに、みっともない格好はやめて頂戴」


気になっていたことがあるので聞いてみる。


何故、いきなり私と年を越したいだなんて言い出したの?