名前:黒猫

『運命の記述』46冊目

流石は闇の眷属

「……『毎年年越しの瞬間ジャンプをして、年を跨いでいる間
俺はこの世界に居なかった!という行動をしていたが、飽きた』
……。なんというか、あなたらしいわね……」




 この男、毎年そんな莫迦な事をしていたのか……。
私が言うのも何だが、今まで友達と呼べる友達が居なかったようだ。
今年は私という知り合いが出来たから、誘ってみた……と。




――……莫迦に変わりないが、こんな莫迦も悪くないのかもしれない。



 何となく分かったような気がする。この男を嫌いになれない理由が……。
この男は自分の欲望に忠実なのだ。
自分がしたいと思ったことをする……やりたくないと思ったことはやらない。


 私もそうだ……周りに合わせるという事をしない。似ている。
だから波長が合う……というのもあるだろう。だが、それ以上に……。


そんな偏屈な私と、一緒に居たいと思っているという事だ。



私は莫迦の目を見ながら、言った。