名前:黒猫

『運命の記述』46冊目

流石は闇の眷属

――……この男、遅刻しているのが分かっていないのだろうか?
 平然と歩いて来る。
申し訳無いと思って、少しくらいは急いだりするものではないのか。



込み上げていた怒りが増した気がする。これは説教だけでは済まない。
かの武蔵坊弁慶も泣き叫び、
のた打ち回ると言われる向こう脛を蹴り上げようと、私は足を振り上げた。




――――――――――




……見事私の蹴りは命中した。相手はのた打ち回っている……。
が、私が気になっているのはそんな事ではない……。




彼が落とした袋だ。