「プ……プレゼント……?」
私は面食らってしまった。
この男が遅れた理由は、ここに来る途中に
この袋を家に忘れて来たのを思い出し、取りに帰っていたそうだ。
「プレゼントなんて……今日は誕生日でもなんでもないわ。
なのに、どうして……」
日頃、お世話になっているから……。
彼はそう言った。のた打ち回りながら。
ゆっくり歩いていたのは、取りに帰る途中転んでしまい、足を痛めたのだと……。
ダサいキーホルダーかもしれないけど、一生懸命選んだから、と……。
「……ふ、ふん。そうだったのなら早くそう言いなさい。
私は悪くないわ。」
顔が熱いのは、蹴った事に対する申し訳無さからなのか、違う理由なのか。
自分でもよく分からなかった。