名前:黒猫

『運命の記述』46冊目

流石は闇の眷属

「プ……プレゼント……?」



私は面食らってしまった。
この男が遅れた理由は、ここに来る途中に
この袋を家に忘れて来たのを思い出し、取りに帰っていたそうだ。



「プレゼントなんて……今日は誕生日でもなんでもないわ。
なのに、どうして……」



日頃、お世話になっているから……。
彼はそう言った。のた打ち回りながら。
ゆっくり歩いていたのは、取りに帰る途中転んでしまい、足を痛めたのだと……。
ダサいキーホルダーかもしれないけど、一生懸命選んだから、と……。



「……ふ、ふん。そうだったのなら早くそう言いなさい。
私は悪くないわ。」



顔が熱いのは、蹴った事に対する申し訳無さからなのか、違う理由なのか。



自分でもよく分からなかった。