名前:黒猫

『運命の記述』46冊目

流石は闇の眷属

1月某日。


 今日、私はあの人間と会う約束をしている。
彼はまた約束の時間に遅れているが……今日は怒らないつもりだ。
 勿論、大晦日の時の事が大半の理由だが……。
あの人間を待つのも何だか悪くない気がしてきたのだ。


彼が遅れている理由は何か……きっと、自分にとって嬉しい理由なのかもしれない。
そう思えるようになった出来事を、私は体験した。


もう1杯コーヒーを注文する私の傍らで……。
鞄に付けたキーホルダーが、きらりと光った様な気がした。





―終―