目を瞑ってるせいなのかと疑いたくなるほど、硬い感触が自身の唇を支配していた。
 目を開いてみると、どこから出したのか、文庫本を唇と唇の間に挟んで、キスを防いでいた。
「こら!」
 ポカリっと軽いげん骨をもらう。
「許可も得ずにそんな事してこないの! ……まだ、駄目なんだからね」



まだ?
唇へと迫った