その声に驚いて、目の前の女性に目を戻す。そこまで、ぼーっと眺めていたのだろうか。
「かわいーもんね。あ、ひなたっていうのよ、あの子」
知ってはいたものの何か別の話を聞けるんじゃないかと思って、黙っていた。
「君が見とれるのも、仕方ないよね。クリスマスに男一人で出歩いちゃって。男やもめですって言ってるものだしね。あ、もしかして、今日ふられちゃったとか?」
……黙ってるとひどい目にあいそうだ。
「だけど、残念ね。彼女好きな人いるみたいだからね」
初耳だ。……そして、心にグサッときた。
「最近は、からかい過ぎたのかあまり教えてくれないんだけどね。まぁ、私も安心したもんよ」
と、一方的に話されている間に、ひなたがまた
ひょっこりと出てきた。