「あー、ひなたちゃん。もう今日はあがっていいよ。多分お客さんもうほとんど来ないだろうし」
「え、でも。約束の時間はまだ――」

「気にしない、気にしない。雇い主の私が言ってるんだからいいの。ね、君も思うでしょ? ひなたファン第9号君」
 確かに遅くなると危ない気がする。とりあえず、首を縦に振る。
「ほら、彼もそう言ってるんだからさっさと着替えてきなさい!」

 ビシッと指を前に突き出す白水さん。「は、はい!」の一言で回れ右して、店の奥へ消えるひなた。
 そして、白水さんの笑顔が残った。
09クリスマスイベント7