「さて、君が噂の子だね。ふふふ」
……どういう事なんだろうか。
「まぁ、ここに来たのは偶然なんだろうけど、悪いことしちゃったみたいね。ごめんね、君からひなたを取るつもりじゃなったんだけどね」
つまり、ひなたの好きな人物ってのは、俺になるのだろうか。しかし、今まで散々ふられている。
「んー。あんまり冴えた顔じゃないわね」
ジロジロと人を観察した挙句に、その一言ですか。
「まぁ、私から言う事は二つだけかな。ひなたと仲良くしてやってほしい事と……」
それを言ってから、あまりにもったいぶるので、コーヒーを啜る。
「ひなたが戻ってくるまでにそれ全部食べる事」
なぜそうなる。
「あの子。多分逃げるように帰っちゃうと思うから、食べ終えて待っておかないと置いていかれるよ?」
なるほど。一緒に帰れと言いたいのか。慌ててサンドイッチとコーヒーをお腹につめこむ。
……喉が熱い。