■端末へのメッセージで、ベノムが引っ切り無しに逃げろと叫んでいる。
■だが、それは苦戦するベノムを見捨てるということだ。自分のために盾になろうとしている人形を、見捨てて逃げる?
■なにか打開策は無いのだろうか?自分にできることは?そこまで考えたとき、

ちっ!!
■派手に火花が散る。唸りを上げて前後するノコギリ。
「And He shall reign for ever and ever, Hallelujah!」

■先ほどとは比較にならない耳障りな金切り音が上がり、クローアームが両断されていく。
■特殊合金製のシールドと、その内側にあるシャフトが切断される瞬間、それを放り出すようにしてベノムが飛び退いた。
■追撃するように、ハチドリのように翼を羽ばたかせ、三次元のジグザグ飛行でフッケバインが迫る。
「Hallelujah!Hallelujah!Hallelujah!」

■ベノムが咄嗟に何かを拾い上げる……"血塗れ女男爵"のクロスボウ!
■左手だけで構え、引き金を引く。小型モーターで巻き上げを行うそれは、古風な見かけによらぬ連射力でフレシェットを飛ばす。
このっ!!バカ鴉……!!
■だが、当たらない。
■フッケバインはまるで速度を落とさず、わずかな横滑りだけですべての矢を回避していく。
■黒と白の翼が、輝く紅い瞳が、鈍く光る銀色の刃が、ベノムの眼前へと飛び込んだ。

NEXT⇒

名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶カラスのクリスマス32

高評価

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら