■左脇腹から胸にかけてをざっくりと抉られた"血塗れ女男爵"が忌々しげな顔を向けている。
■動力源には届かなかったらしい。傷口からは赤黒い液体が流れ出し、貫かれた右足を引き摺るようにしながらもクロスボウの構えは解かない。
■ベノムは一瞬動きを止めていた。
■敵の後退を許しながらも何かを警戒しているが、それが何なのかは分からない。
「そんなに怖い顔しなくても。私は貴女のご主人サマに何もしませんよ。今はまだ、ね」

「良いわ。あなたの言うとおり一度退いてあげる。」
■クロスボウを下ろし、ゆっくり、ゆっくりと後ずさっていく。
退く?私が、見逃してあげるのよ、今日は聖夜ですもの。殺しには相応しくないし、油で汚れるのも御免被るわ。
■ついさっき人間2人の息の根を止めた人形が何か言い返している。

「…勝ったとは思わないことね」
アハハ、次にあった時は真っ先にその減らず口を三つに裂いてやる!
■捨て台詞を残して、手負いの人形は去った。
■追撃の手も無いようだ。それでもベノムはしきりに周囲を警戒しながら第4区画への道を辿る。
■……真っ直ぐ、迷う事なく、"まるで発信機でも取り付けているかのように"
■正確に、主人のもとへと。

⇒NEXT

名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶ナイトメア七

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