『お父さんが言っていたの。もうすぐ、もうすぐだって。
じきに治療方法が見つかるから、って……』
■ハナが咳き込む。熱を帯びた雫が首筋を伝うのを感じる。
■鏡写しのようで、でも全く違う彼女の、痩せた背中をそっと撫ぜる。
『間に合いっこないわ。私はもう……』
■彼女がバッと身を離し、枕元のタオルを掴む。
■その古びた白い布に、赤い花が咲いた。
■しばらく咳き込んだ彼女がゆっくりと顔を上げる。
『私を連れ出して、フッケバイン』
■出会った頃の、病床でシニカルに笑う少女の姿は崩れ、
■絶望の中で怯える眼が私を捉えた。
⇒NEXT
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率40%
話した言葉:記憶フッケバインの幻想2
高評価
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら