「御存知の通り、私達『正統王朝』は陸が分断されて出来た東西海峡…かつて『糸静線』と呼ばれるラインのあった海で、『東日章』と睨み合っています。
一方で、この『西日章』と事を構えるつもりは、今の所それほどありません。
では何故私がここにいるのか。
……かつての『人形戦争』で、『なんらかの重大な情報』を持っている人形が、この地に残存している。
そういう情報を得たんですよ。」

■その人形とは誰なのか。こうして話を切り出している時点で、それは聞くまでもないことなのだろう。

「詳しくは言えませんが、私の所属組織はそれを国家にとって重大な情報と踏んだようなんです。
…貴方に接触したのはそのためです。そして時間をかけて罠を用意し、
おびき出して彼女を捕獲ないし、じっくり情報を読み出して差し上げようと思っていたのですが…
公安に勘付かれて追われた挙げ句、フライパンでボコボコにぶん殴られた…というのがあのケンカの顛末ですよ。
正直、あれは痛かったです」

■まったく悪びれる様子もなく、はにかみながら語るリポーターに、なんと返せば良いのか。
■悩んでいるうちに彼女は続きを話し出す。

「そろそろご理解いただけたんじゃないでしょうか。つまるところ、話は簡単です。
……私達には、ベノムさんを直せる当てがあります。
その代わり、私にベノムさんの頭の中を、少しだけ見せて頂けませんか?」

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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶新春と再起と四

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