「おっと!」
■ベノムのクローがブラックウィドウの顔を掠める。
■続いてプルキーの山刀がワイヤーに弾かれる。

「思ったより対応が早い、連携も良いですね。これは少々危ない…!」
■左手から射出したワイヤーをゴミ山に打ち込み、それを巻き上げることで跳び退った。

大きな口叩いてた割に、手品の種が割れたら大したことないわね。早く尻尾を巻いたら?
「人間による観測、アナログ通信による人形への伝達、なるほど良い手です。では…」
■ベノムの挑発にも優雅な微笑みを崩さず、しかしその声音はますます嗜虐的な色を帯びる。
「こういうのはいかがです?」
■ブラックウィドウの姿が、消えた。

「…畜生!どんだけ装備盛ってやがるんだあいつは!!」
■刑事が半ば呆れたように吠える。
「光学迷彩だ!!あの早着替えのトリックもそういうこったな…"白いワンピース"を自身に投影してたのか」
『情報汚染は続いたままです!対熱源、対光、対形状センサーに感なし!敵影を完全にロスト!!』
「どんな処理能力だ、クソッタレめ!」
■端末からプルキーの悲痛な叫びが響き、刑事が苛立たしげな声を上げる。
「…どうする?こっちはすっかり目を塞がれちまった」

きゃっ!?
■不意に、ベノムが宙に引っ張り上げられた。
■キリキリと音を立てるワイヤーが左足に絡みつき、ゴミ山から突き出た鉄骨を支点にしてベノムを逆さ吊りに持ち上げる。
ちょっと!やめなさいよ!!人が気にしてる場所を!!
■吊り上げられながら、必死でスカートを押さえるベノム。…機械が露出した左足は、彼女にとってコンプレックスらしい。
■抵抗も虚しく、少しずつその高さは増していく…!

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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶未亡人の参戦拾

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