■削岩機を抱えたベノムが跳ぶと同時に、プルキーもまた立ち上がっていた。
■相当のダメージを受けていながらも、山刀を構え直し、「綻び」の向こうを見据える。
「もう一度呼びかけます。今すぐ抵抗をやめ、投降するならば…」

■…返答は、無言の投擲。
■プルキーは自らを狙い飛んできた杭を山刀で弾き、そこで言葉を止めた。
■再び目を見開き、ベノムの跳躍に追随する。

■ゴミ山の上、突き刺さった鉄骨の上で、空間の綻びが増え、繋がり、その向こうに黒いドレスを現す。
「御覧なさいな、自分たちの有様を。一人相手に得物を持って徒党を組んで取り囲んで、まるで悪役だわ」
……負け惜しみは終わりかしら。じゃあお祈りは済んだ?命乞いの時間はあげないわ。
■再び姿を現したブラックウィドウの言葉をベノムが切って捨てる。
「良いわよ…今回は私の負け。貴女たちの勝ちよ。」

■ベノムが突き出した削岩機がワイヤーに絡め取られる。
■プルキーが振り抜いた山刀が右腕に受け止められる。
■フライパンを振りかぶった初鷹がワイヤーに引っかかり、ゴミ山に突っ込んだ。

■ブラックウィドウは右腕に手傷を負いながらも、ワイヤーの巻取りによって空中を飛翔…
■瞬く間にジャンクヤードの向こうに消えてゆく。

……追わないの?
「泳がせます。…ということにしてメンツを立てさせてください」
■柄にもなく軽口を叩いたプルキーが膝をついた。彼女のダメージは見た目にも激しい。
教えてもらえる?あの腹黒蜘蛛女がどこの人形なのか。知ってるんでしょ?
「……一応これ、オフレコでお願いしたいんですけど…」

「おそらくは、"正統王朝"の手のものです。」

名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶未亡人の参戦拾伍

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