「…さて。名乗るのが遅くなってゴメンね。
ボクは彗星。第二世代型戦闘人形で、今は国家憲兵隊に所属してる」
■濃緑色のジャケットを着た人形…彗星が姿勢を正して名乗った。
■こうして正面に立ってみると意外と背が低い。ヘルメットからは切りそろえられた茶色の髪が覗き、アンバーの瞳が光る。
■長い袖が手首から先を半分ほど覆っているが、左手には黒い手袋がしっかりとはめられているのが見えた。
「…わたしは瀬尾愛路。こっちはジャグワール。よろしくね…」
■愛路の返答には明らかに元気がない。海水浴が台無しになってしまったのだから無理もないかも知れないが…
■しかし国家憲兵隊とは穏やかではない。
■彼らは国防軍の下にある警察組織で、主に重武装の凶悪犯罪への対処を目的としていたはずだ。
「ここにいたのは偶然だよ。マスターの指示で、パトロールをしてた途中でね」
…なぜ私の名前を?
■ベノムが疑問を口にする。その瞳は警戒心を隠していない。
「ああ、そのこと。ゴメンゴメン、ここら辺で登録されてる人形のデータは一通り頭に入れてるんだ。
…もちろん、そっちの"紅雨血雨"さんのことも。」
■彗星はベノムの剣呑な視線にも構わず、笑顔を作ってみせた。
NEXT⇒
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶砂浜捨
高評価
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら