「それはいい。だが何故アイツらが出張ってくる?ここは連中の管轄ではないはずだ…」
■やっと体が冷えてきたらしいジャグワールが話に首を突っ込む。
「…えっとねぇ、2人は知らないかもしれないけど…羽片市は一部の治安維持業務を民間に委託してるの。
それがあの安照警備保障って民間警備会社。まあ~…ざっくり言っちゃえば傭兵だね」
■ジャグワールの疑問について、愛路が補足する。
「それがどうにも。羽片市の公安は都市主要部に振り向けて、ここらは民間業者に任せるって話が急に通ったみたいでさ。
国家憲兵隊の指揮系統は市じゃなく国だけど、一応地方行政の顔は立てなきゃで。
ボクは実質独断で行動してたようなモンだし、マスターからも引き上げろって指示が来ちゃった。」
■彗星がやれやれと肩をすくめた。
「ま、"海螢"で立て続けにテロが起こってるし、例のドール事件もあるから警戒してるんだろうね。
自分の身の回りだけ固めて海岸をあんな連中に任せてるようじゃ、どこまで真面目に考えてるか分かったもんじゃないけど」
「そうだねぇ、よりによって安照じゃねぇ…」
■彼女らの会話には明らかに侮蔑のニュアンスが混じっている。どうやらあの安照という会社は、あまり良い印象を持たれていないらしい…。
「さてさて、みんな水着のまま解散ってのも難でしょう?うちのアジトで着替えていくといいよ。シャワーもあるからさ」
■人懐っこい笑みを浮かべて、彗星はそう提案した。
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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶砂浜捨壱
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