■眼の前に座る女性はどこか異様だった。
■喪服のような黒い服、陶磁のように白い肌。腰まで伸びた金髪とエメラルドグリーンに輝く瞳が暗い店内で主張する。
「なんだい?人の顔をジロジロ見て。悪いがあんたのご期待にゃ添えないよ」
■口調や態度は老婆のようだが、その声には少女のような艶がある。
■どこか人形めいた顔でいたずらっぽく笑い、血の気に乏しい左手をひらひらと振る。
【ZAZA!】
「ここは『普通じゃないもの』を扱う店さ。私はその店主の錬金術師…半人前もいいところだがね」
■自称錬金術師が諦観をにじませるように笑む。視界の端で何かが動いた気がした。
「こういう商材を扱ってるからかね、たまにあんたみたいなお客が迷い込むんだ。まあ大丈夫、『そのうち戻れる』さ」
■…カウンターの向こうの棚には薬品瓶のようなものが並ぶ。ラベルの文字はよく読み取れない。
■貴婦人のような所作で、彼女は紅茶を啜る。その翠眼がギラリと煌めいた気がした。
「ま、それまではゆっくりしていくといい。気になるものがあれば手にとってくれて構わないからさ」
■ざっくばらんな態度で、店内の棚を指差した…。
【ZAZAZA!!】
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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶EX-1-3
高評価
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