『♪ダイムラ、ダイムラ、技術のダイムラ
明日をつくる重工業、ダイムラ重工業♪
この番組は、皆様の未来を創る、ダイムラ重工の提供でお送りいたします』

■CMが明け、ニュースバラエティ番組のペット紹介コーナーが始まった。
■動物好きな名物アナウンサーの朗らかな声。
■永崎市の老夫婦が飼う変異サンショウウオが元気に二足歩行する姿が紹介される。

『……番組の途中ですがここで臨時ニュースをお伝えします。
海上都市"海螢"の第二区画で大規模な爆発事故が発生した模様。
地元住民の話によりますと、事件現場付近は小規模な銃撃戦があった程度で
普段と変わりない様子だったとのことですが、この銃撃戦と爆発との関連は分かっておりません。
被害の詳細情報が入り次第改めてお知らせします。』

■何気なく聞いていた放送が切り替わり、挟まれてきた速報。
■覚えのあるその場所に、なにか言い知れぬ胸騒ぎを覚えた。
■"正統王朝"と手を組んだという"海螢"の行政関係者と、その意図のもとに動く公安。
■地方自治の原則を盾に市から追いやられた国家憲兵隊。
■それから…あの日、第二区画のバラックを襲撃してきた集団。

■……考えすぎだろうか。
■手元の端末を操作する。通話ログ。


■……あの日確かに入っていた着信。

■"アコニト"との通話履歴は、端末には残っていなかった。


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名前：“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39％
話した言葉：記憶_作戦会議

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