「ま、まって…!こ、こここ殺さないで……!」
安い命乞いね。目的は何?
■のたのたとドラム缶から這い出そうとする声に、ベノムが冷徹に言い放つ。
「…あー、面白いので黙ってましたが…やめてあげてくださいね。
それ、私の操者なので」
■先頭を歩いていたリポーターが半笑いで振り返る。
■……操者?
「ぼ、ぼぼ、ぼく…です……あ、あ、あ、アコニト、です…!」
■ドラム缶から這々の体で出てきたのは、長い黒髪の少女だった。
■黒、赤、銀のパンク風な格好。長いこと日に当たっていなさそうな白い肌、淀んだ目の下には深いクマ。
■頭に付いた動物の耳のようなデバイスがチカチカと紫色に発光している。
■反応に困ったベノムがこちらを向く。
「色々事情がありまして、リスクはあるんですが直接出て来てもらいました」
「りり、リポーターも…もっと早めに、とめて…!」
■か細い声と吃音は、性別不明な声で悠々と話していた"アコニト"とだいぶイメージが違う。
「ご覧の通り重度のコミュ障なもので…通信ではテキストを合成音声に喋らせてるんですよ」
■頑なに目を合わせず小さく縮こまって震えているその姿は、臆病な小動物のようだった。
⇒NEXT
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_作戦会議陸
高評価
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら