■その時。線路の向こうから陽気な音楽が流れてきた。
■『聖者の行進』。古いジャズだ。

■空色に塗られた装甲車が2両、スピーカーからの大音響と共に軌道上に姿を現した。
■装甲車というより、民生の小型トラックに装甲板を貼り付けまくったような歪な形をしていたが…
■あっけに取られる安照の隊員たち。すかさずベノムが動き、盾になるように前に出た。

「ちょっとちょっとおじさん達〜?」
■乗り付けてきた装甲車の上部ハッチが開き、乗員が姿を現す。存外に高い声……女性だ。
■空色のプルオーバーシャツに紺色のキュロット、黒のシャコー帽。腰には革のホルスター。
■乱雑にまとめた髪束を揺らし、少女…と言っていい外見の乗員がぴょんと地面に飛び降りた。

「ここ、何処だか分かってる〜?"鉄道の上"だよね〜?つーまーり、管轄はどこかな〜?」
■レールを指さしながら警備会社の隊員たちに歩み寄りつつ、猫なで声で問いかける。
■続いてコツコツ、と自らの帽子にあるエンブレム…「Railway Guard」の表記…を指で弾く。
「鉄路上で発生した事件事故は"鉄道警備隊"の管轄とすべし。
まさか忘れちゃいまちたか〜?警察ゴッコしてるくせに法律わかんないの〜?
そのハゲ頭の中コンニャクとか詰まってそうだもんね〜!しょーがないかぁ〜!
とゆーわけで!くそざこド低脳警官モドキどものみなさんは~、さっさとおうちに帰ってくださ~い!」
■眉を顰める安照隊員に向け、嘲るような笑顔で立て続けに言葉を浴びせる。
■小馬鹿にしたような赤ちゃん言葉と、流れるような悪口と罵倒。
■隊員たちの目がつり上がっていく。

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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率40%
話した言葉:記憶_山18

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