「ジェンダルメリ!!」
■裂帛の気合とともに投擲される棒手裏剣。
■特殊タングステン弾芯でできたそれは、人形の膂力で擲たれることでライフル弾もかくやの貫徹力を発揮する。
「さっきからツッコもうと思ってたんですが、なんなんですかその掛け声は!」
「魂の叫びだ!!」
■成立しない会話を交わしながら、殺到する棒手裏剣をワイヤーネットが弾く。
■応酬、とは呼び難い…ブラックウィドウは実際防戦一方である。
■やはり彼女は不意の遭遇戦、さらに真正面からの戦闘は不得手なのだ。
■まして、彼女の本分たる電子戦が通用しない相手には。
マスター、付き合う必要はありません。帰りましょう。
■あくまで意に介さず、という調子でベノムが腕を引く。その時。
【PiPiPi! PiPiPi!】
■端末の着信音が鳴った。
『失礼を承知で掛けさせてもらっているよ。…悪いんだけど、僕の人形を助けてくれないだろうか?』
■聞き覚えのある、加工された合成音声。ブラックウィドウの操者…アコニト。
『もちろん、タダでとは言わない。…将来的に起こる"凶剣"との対決では力を貸すことを約束する』
…それ、もとから狙ってたことじゃない。対価にはならないわ。
■ベノムがぴしゃりとはねつける。確かに先のブラックウィドウの話によれば、それは元々の思惑のうちだろう。
『これは手厳しい。では……
"彼女"を無事捕獲できたとして、その解析作業での協力ならどうだろう?』
……解析?
『そう、例えば、"彼女"しか知り得ないであろう情報……
………"音速剣"の最期について調べてみる、というのは?』
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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_黒と金の交錯四
高評価
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