■その人形の戦闘センスは極めて高かった。
■"ダ・ヴィンチの羽ばたき翼"による重力制御…
■その応用によるモーメント制御は、まるで慣性を無視したような急激な挙動を実現していた。
■これまでの戦闘で、彼女のトリッキーな攻撃に対応できた者は居ない。

「…で、またコレ?」
「そのようねェ…」

【ガキン、バキ、メキ】

■すでに機能を止めた人形に、執拗に剣を振り下ろす。
■最初は手や足が反射で動いていたそれも、5撃目が加えられたところで止まった。動力伝達が完全に寸断されたのだ。
「あは…!」
■さらなる刺突は顔へ、目へ。
■きしむような嫌な音を立てながら、"それ"が取り外される。

「あー…趣味悪。腕自体は良いのに、なんなのよあの猟奇人形」
「……ローリン」
「何?」
「もしも私が壊れたら、この目を持っていってくれる?」
「いらない」

「ふふふ……」
■光を受けてキラキラと輝くそれを、フッケバインは愛おしそうに見つめていた。

NEXT⇒

名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_黒後家蜘蛛の見せる夢_深層久

高評価

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら