……やっとくたばったわね。清々するわ。
■落ちた人形へと近づいていき、ベノムが吐き捨てる。
■だが傍らに片膝をつき、見開かれたままの瞳を覗き込み、そっとまぶたを閉じさせてやった。
……マスター。あの、
「やれやれ参りましたね。まさか捕獲対象を大電流で焼いた上に海没させてしまうとは」
■なにか言いかけたベノムを遮るように、プルキーが大げさにかぶりを振る。
■唖然として振り返るベノムにウインク。
「観測ドローンは飛んでいないようですし…ベノムさんはダメージで戦闘後半のログがぶっ飛んでいるようです。
仕方ない、上と"正統王朝"の連中への報告は私とマエストロでしておくとしましょう」
…それはあの刑事から教わったやり口?
「さあ、どうでしょうね?」
■はぐらかすように笑う。
「ここらは海流が複雑です。海に落ちた人形を探すのは難しいでしょうね?」
そうね……公安のマヌケ共が見つける前に、ジャンク屋あたりに引き上げられてしまうかもしれないわ。
■プルキーは満足そうに微笑むと、しゃがみ込んでフッケバインの髪を軽く撫でた。
「おやすみなさい、フッケバイン。私の……戦友。」
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_MADANGEL2_15
高評価
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