「大丈夫ぅ?うわ、肩バックリ切れてるよ!待ってて今止血を…」
■愛路の声に我にかえる。心配そうな顔で、ハンドバッグからタオルを取り出していた。
「すまないメロ。仕留め損なった」
■感情の読めない声でジャグワールが歩いてくる。
■放り出されたスマートガンには剣が突き刺さり、銃口がラッパのように広がっていた。
「友人たちが"オマケをつけた"と言ってましたが…まさか彼らの趣味が役に立つとは」
■肩をすくめながらブラックウィドウが姿を表す。
■フッケバインにどこまで効果があるかはわからないが、光学迷彩で潜んでいたようだ。
■ジャグワールが訝しむような目を向けるが、構わず続けた。
「いずれにせよ、あとはベノムさんに任せるしかなさそうですね」
■タオルを包帯代わりに止血してくれた愛路にお礼を伝えると、ベノムの飛んで行った方向へと歩を進める。
「追いかける気?」
■愛路の問いかけ。
「ううん。止めないよ。…見届けてあげて」
■謝意を伝えて駆け出す。ブラックウィドウがなにか言いかけたが、嘆息して手を振った。
■端末に目をやると、ベノムの位置情報の他にもう一つアイコンが表示されている。
■おおかたブラックウィドウが、フッケバインに発信機でも取り付けていたのだろう。
■抜け目のなさに半ば感心、半ば呆れつつも、そのことをベノムに伝える。
■……返答はない。
■2つの表示はほとんど重なっていた。
⇒NEXT
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_MADANGEL2_8
高評価
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