■ビル街から聞こえた爆発音を聞いたベノムたちは一足先に追跡に向かうと伝えてきた。
■全力で走る人形に人間の足で追いつくのは、なかなかに厳しい。
■だが隣を走る愛路はそれほど息を乱しておらず、「大丈夫?」と問うてきた。

『苦しそうだね』
■突如、端末から"亜子"の声が響く。
『こちらも急ぐ理由ができた……良ければ、乗っていくかい?』
■そうして路地裏からプトプトと出てきたのは……小型の三輪貨物車だった。
■乗り込もうとして荷台のカバーを開けると「わあああああああこっちじゃないです!!」
■中から素っ頓狂な声が上がった。
■荷台の中には様々なコンピュータや通信機、何に使うのかわからない端末が並んでおり、
■それらの配線が蜘蛛の巣のように伸び、集合コネクタを介して中央に座る亜子に…彼女の首元に繋がっていた。

「その人が"人探し"の協力者さん?」
■全力疾走していたとは思えない、愛路の柔らかい声。
■途端に、おどおどと宙を泳いでいた亜子の目つきが鋭くなった。
■膝を抱き、縮こまりながら威嚇するように愛路を見据え、端末越しに声を上げる。
『貴女こそ…引き上げるというのは嘘だったんだね』
「……なんのことかな?」

『今更しらばっくれないでほしいな。
国家憲兵隊の瀬尾三佐』

⇒NEXT

名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_MADANGEL_17

高評価

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら