【GYARIGYARIGYARIGYARI!!!!】
■嫌な音を立てて次々とワイヤーが弾け飛ぶ。
■防御のために張ったワイヤーの束が、ノコギリで切り裂かれてゆく。
(不味い不味い不味い不味い不味い)

■3対1で殴られた時も、あの百式と渡り合った時も、決して余裕は失っていなかった。断じて。
■その余裕が、崩れていくのを感じる。
■ベノム・ザ・ハーフスクラップ、不死身の半壊人形……
■ある種伝説の戦闘人形を、一度は死の淵に叩き込んだ死神。
■その"凶剣"が目の前に居る。

【CRUSHHHHHH!!!!】
■飛び退いた矢先、刺突が頭上数ミリの位置をかすめる。
(なんでなんでなんでなんでなんで)
■明らかにこの人形はおかしい。
■電子妨害が何一つ効かない。それはいい。

■はじめは、外部と情報のやり取りがなく、侵入経路が閉ざされているからだと思っていた。
■違う。この人形は、明らかに"なにか"と交信している。"誰か"に指示を仰いでいる。

■はじめは、指向性地雷が出す赤外線を捉えられて回避されたのだと思った。
■街中に張り巡らせたトラップの、ワイヤーを辿られて見つけ出されたのだと思った。
■違う。

■…そして、否定しがたい自らの思考。
(これは……恐怖)
■性能で勝る戦闘人形と直接対峙していることに、ではない。
■眼前の人形の思考と行動パターンに、怖気を感じていた。
「"見えなかった"けど、今は"クッキリ"してる。
あは、ちょっと楽しくなってきたよ!」
■獰猛な笑み。
(意味わかんない怖いこの人会話通じる気がしない!!)

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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:記憶_MADANGEL_21

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