「…ごめんね、ちょっと無茶しすぎたかな」
『空中散歩は良いけど、アクロバットはちょっと聞いてなかったわ…』
息を荒くする私を、赤い瞳が心配そうに覗き込む。
フッケバインに振り回されて疲弊した私は、何処かも知らない木陰に座り込んでいた。
虫の声が聞こえる。風の音色も。ここしばらく、ずっと耳にしなかった音が。
『でも楽しかった』
息も絶え絶えに、それでも笑顔が浮かぶのがわかる。
「そっか、良かった!」
それを聞いた彼女も破顔した。
「そろそろ帰らないとだね」
フッケバインが立ち上がる。
『そうね、私もちゃんと眠らないと…』
「…ねえ、ハナ、病気…そんなに悪いの?」
『…うん、正直、あんまり長くないと思う』
バレていたか。
いや、彼女はきっと賢い。狂ったような行動も、小さな子供のような言動も、
どこか"そう演じている"ように見える部分があった。
私の現状も、ふざけて使った言い回しの真意も、彼女はきっと理解している。
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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:9.20-10.00-3.86-4
高評価
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