「大丈夫だよ」
『…なにが?』
「私が歌うから。ハナが怖くないように。
ハナが何かを見つけられるように。
暗闇の中に沈むときも、最後に"楽しかった"って思えるように。」
両手と翼を広げて片足立ちで一回転し、彼女は微笑む。
自分が一緒にいると。遠からず死にゆく私に、最期まで付き合うと…
『ホントに大丈夫かな?フッケバインの歌って、正直あんまり…』
「えぇ!?」
『私は好きだけどね。ああ、あんまり音程がひどいんで棺桶から飛び起きるかも』
「なにそれひどーい!!」
腰に手を当て、頬を膨らませて怒ってみせるその姿は、やっぱり小さな子供に見える。
『…ふふふ』
「あはッ!」
だが、やはりその笑顔はどこか狂気を帯びていて、
そして何よりも魅力的に映るのだった。
名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:9.20-10.00-3.86-5
高評価
お気に入り登録 / 登録済み一覧