枝の上に立っている少女…フッケバインが拍手に気づき、少し照れたように一礼する。
そうして背中の翼を羽ばたかせ、以前と同じように、窓辺まで飛んでくる。
「こんばんは、ハナ!」
『こんばんは、フッケバイン』
自分と似た色…銀髪紅眼の少女の、屈託のない笑顔…
しかしそれにはやはり、仄かに狂気が滲んでいるように見えた。
『フッケバインは歌が好きなのね』
「うん。歌は暗闇の不安を追い払ってくれるから。
私は狂った子どもみたいに、暗闇の中で歌うの」
左手を胸に当て、右手を大きく開いてポーズを取る。
わずかな窓手摺の上で、よくバランスが保てるものだ。
「ハナは?」
『私?』
「ハナがすきなものはなあに?」
『私…が…』
「ハナは、なにを持って、夜の恐怖に立ち向かうの?」
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名前:“半分屑鉄の”ベノム
智識再構成率39%
話した言葉:978-1502339393-2
高評価
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