(チュンチュン……TNTN、チュンチュン……)

爽やかな朝の空気と柔らかな日射しに混じり、小鳥の鳴き声が部屋に飛び込んでくる。他にも何か聞こえた気がするがなかったことにしておく。
朝だ、もう朝なんだ……朝と聞くだけで一気に体が重くなり布団から出たくなくなる。このまましばらくやり過ごそう。そう思い、より深く潜り込もうとする。

と、突然「ガターン!ゴトゴトゴト……あにゃー!」なんて騒音が聞こえてきた。一体何事だろうか。気にはなるものの体は重く、そして気も重かった。
声の主は間違いなく同居人……というか、この家の主のものだった。きっと駆け付けたところで何かしらに巻き込まれるのは、開けてもいない目にすら見えている。
が、このまま無視していても良い方向に事態は転んでくれないだろう。重い体に鞭を打ち、布団から出て声の元へ向かうことにしたのは布団の中で体感で10分ほどもぞもぞしてからのことだった。

ある秋の日