廊下に出るとひんやりとした秋の空気が全身を包み込む。もうこんな季節なのか、それにしても急に冷え込んだな、などと考えながら大体の目星をつけた部屋へと向かう。
なぜ予想がついたのか、それは簡単なことでこの家の中で物が氾濫しそうな場所は一つ。居間のひとつ手前にある部屋の押し入れぐらいだからだ。そこは用はないが捨てるのも惜しいと思ったものと季節のものを同時に押し込んである。つまりはそういうことだ。
寒さに軽く身を震わせた後、入り口を開ける。そこに広がっていた惨状は、どうした……と声を掛けようとして消えていくには充分なものだった。
一面に広がる布団、謎の置物、何に使うのかよくわからない道具。物、物、物……そのゴミ捨て場のような光景の中に見覚えのあるリボンが落ちていた。これは、あいつの……クソ!勝手に俺を置いて死にやがって……!
等と言ってみると「勝手に殺さないでよ!」と大きな声でツッコミが入る。良かった、無事なようだ。
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