朝飯を食べ終え、お茶をすすり、今日も一日がんばるぞいと気合いを入れて席を立つ。向かうは隣のゴミやm……いや、物の山が出来ている部屋だ。

部屋に入り先ずは物の優先度をつける。これはちょっとしたコツのようなもので個人的に要ると感じたもの、微妙なもの、要らないものと分けることで片付けをしやすくするのだ。
が、実際にやってみると難しい。なんだか全て要るもののように見える、そう囁くのよ、私のゴーストがね……などと言い訳している場合ではない。やると決めたらやらねばならぬのだ。
考え始めると現実逃避したくなり、きりがないので目に映ったものから実行することにする。

布団は当然要るので隅に避ける。謎の置物、これは……目を見てるとなんだか心が不安になってくる。要らない。健康ブレード、これは絶対にいる。なぜならこれを持ってポーズをとるだけで鬱フラグをブレイクできる気がするからだ。それから……えーと……あれは……

大雑把に仕分け終えたのは昼近くになってからのことだった。日はもうすっかり高い。
休憩がてら窓に映った空をぼんやりと見ていると雲が高いところにあるように見えた。昔、誰かから聞いたが秋というのは実際は空は低いらしい。理由は……忘れた。細かいことはいいんだよ、そう自分を納得させる。

そこまで考えたところでチェンが後ろから声をかけて来た。あまりにも無防備だったため少し焦りながら返事をする。

ある秋の日6