紫「でも今回の出来事であなたは少なくとも幻想郷から消えていく事を分かった筈よ。」
…消えていく?あの光景が消えていく事なのか?
紫「そう、幻想郷に来るには外界で忘れられこちらに消えるように来る。それとは逆に外界に無理やり戻される時は外界に覚えられ、あなたは幻想郷に忘れられていく。幻想郷に忘れられた者は徐々に幻想郷が見えなくなっていく。人、妖怪、果ては幻想郷の美しい景色が消えていく。」
…そういう事か。だから誰も居なかったのか。
紫「ええ、あの光景はあなたが望まなかろうが外界に無理やり戻される時の光景…いつか来るであろう一つの結末よ。」
俺はあの静寂と孤独に包まれた幻想郷を思い出し身震いした。
紫「あくまでも一つの可能性だけどあなたは忘れてはならない、異分子故に。…忘れたくても忘れられないだろうけれどもね。さぁ、話は終わったわ。さっさとスキマから出ましょう?」
そう言い紫は指先で空間を裂く。
…いつか来る結末、か。俺はどうすればいいのか、俺の本当の答えはなんなのか。そんな事を考えつつ橙の待っているであろう出口へ足を向けた。
あとがき