さぁ、まだまだ百物語は続くよ。
今回は「廃墟」の話だよ。…とは言ってもみんなの言うような立派な建物じゃないんだけどね。
じゃあ何かって言うと昔作られた言語関係の教習所なんだけどね。
じゃあ話を始めるよ。
これはその教習所に一番近い…と言っても視認出来るほどではなくて山一つ挟んで向こうに住んでる当時中学生のU君とその友達のK君のお話。
これは本格的に気温が上がる前の梅雨の事。
ある日Uは中学校で不思議な話を友達のKから聞く。それは同じ中学校出身の先輩が遊び半分で元教習所のところで肝試しをしようと赴いたところ、人が居る筈もないのに明かりと人影を見たという。
それは管理人が見回りしてただけじゃないか?とUは言う。
しかし先輩の言うには管理人のような大人の背丈じゃなく子供のようなものだった。そしてマジマジと見つめていると不気味な笑い声が上がり始め、急に怖くなった先輩は逃げてきたそうだ。
それを聞いたUとKは怖いもの見たさと正体を暴きたいという好奇心で次の土曜の夕方に行く事にした。
懐中電灯とビデオカメラを二人とも持ってUは中を探索、Kは外から廊下側を照らしながら撮る事にしてみた。
先輩からもっと当時の状況を聞いていろいろ知って起きたかったものの決して話そうとせず、そのまま約束の土曜が来た。
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