そんな事はつゆ知らず中を探索するU。
どうやら右手の方にズラッと教室がありこちらから一番奥の方に階段があるようだ。

まずは手前の教室の入り口に手をかける。…残念ながら教室の入り口は開かなかった。念のために後方の入り口も確認する。…開かない。
少し残念だが開かないのであれば仕方ない。次の教室に行こう、とUは次の教室の入り口の取っ手に少し力を込める。…ガラッ、開いてしまった。

何故そこが開いていたか深く考えず中に入るU。辺りを見回すとかつて黒板であったものはボロボロ、机はまばらに倒れてあるだけ。
Uは入り口から一番奥の荷物入れらしき場所に目がいく。

よく見てみると何故か一つだけ赤い印がある。好奇心に負けてそれを見に行くU。
すると「ガラ…ガタン!」と大きい音が響く。見ると開けていた筈の教室の扉が閉まっているではないか。

意味が分からず「えっ?」と連呼するU。
すると外からKの声が響く。「早く出ろ!」
その声はやたらと焦っているようだった。

指示通り出ようとするU。…開かない。先ほどまで開いていたのに。
だんだん混乱し始める。焦燥感に駆られガチャガチャと無駄な抵抗を試みる。

すると何か聞こえ始めた。それは先ほどの赤い印のある荷物入れからのようだった。
その声はやたら甲高く、まるで子供がはしゃいでいるようだった。

恐怖を覚えたUはタックルを繰り返す。何回かやったところで扉は外れた。
外からは不安と焦りの入り混じったKの声。何かが映ったとでもいうのだろうか。

しかしそんな事を気にかけていられる余裕はあまりない。先ほどの出口に向かって駆け出すU。
こちらはなんとか出られるようだった。急いで非常階段へ飛び出す。

非常階段の一番下でKは待っていた。見てみると嫌な汗をかいているようだった。
一番下まで降りるなり慌てた様子でこの場を離れようというK。
先ほどの事もあったのでUは同意しUの家まで急いで戻る。

怪談話2の続き2