なんとかUの家まできたものの二人は全力で走り続けたので息があがっている。思わず入り口でへたり込む。
息も整った頃、落ち着いて話す為にUの部屋まで移動する。
部屋に入って先に口を開いたのはKだった。
「お前に早く出ろって声をかけたろ?あの時頭だけが映ったんだよ…小さい子供のが、複数。」
「それに、黙ってたんだが三階の入り口から入っていった時にもチラッとなんかが映ったような気がしたんだ…」
複数?そんな馬鹿な…あの部屋では一人しか聞こえなかった筈。まさか最初から俺は見られていたのか?もしかしたら、入り口のところからずっと…そう思うと震えが止まらない。
どうも様子がおかしいと感じたKはUに話を聞いてみる。Uはなかなか上手く話せないがなんとか説明した。
そこで二人はビデオカメラを確認する事にした。
まずはKの複数の子供とやらを見てみたい、という事でKから確認する。
しかし異変は冒頭から始まっていた。
先ほど確認した筈の建物とUの映像…そこにはずらりと子供達らしきものが映っていた。
その光景はおぞましいの一言に尽きるものであった。明らかに生気のない表情でこちらを見つめるだけの子供達、それもところどころ怪我をしている。
Kはもう止めようと言うがUは怖いもの見たさが勝り見続ける。
一階、二階、三階…子供達は自分の後ろについてきている。これがKの言っていた入り口の時のものか。
そしてUは自分のビデオカメラを取り出す。嫌がっていたKも仕方なく見る事にした。
すると入り口から中に入ったところから奥まで人、人、人…子供達がズラッと並びこちらを見ていた。その瞬間二人とも背筋がゾッとした。
突如、部屋の電気が落ちる。そして響く先ほどUが聞いた笑い声…ビデオカメラに映っている子供達も笑い出す。
思わずビデオカメラを放り投げ二人とも部屋から飛び出した。
以降二人とも元教習所の方には行かなくなったそうな。
後から聞いた話だけどその教習所というのは昔、ちょっと発達の遅かった子達に厳しく日本語や勉強を教えていた場所で虐待も酷く、死人も出ていたそうな…
これで二話目は終わり。いわくのありそうな場所にはあまり近づかない方がいいかもね…
怪談話2の続き3