そうとは知らず一年生達は肝試しを行っていたそうな。
Tと上級生達はファミレスで雑談ししばらくした。
そろそろいい頃合いだろうとT達は一年生の元に行く。

指定していた地点に戻ると一年生はなぜかみんな肩で息をし若干青ざめていた。数を数えてみると一組だけ足りない。
どうしたのかと心配した上級生は一年生に声をかけようとすると、上から叫び声を出しながら一年生の最後の一組が駆け下りてくる。

なんだなんだ?とざわめくTと上級生達。
その一年生はゴールに着き息を整えてから上級生達の元へ駆け寄る。

すると開口一番不思議な事を口走った。
「先輩、すごいですね!あんなリアルに人魂、どうやったんですか?」
おかしい、そんな筈が無い。T達はずっとファミレスに居たのだから。
その事を慌てて説明するT。しかし一年生達は「そんな筈無いですよ、あのチラッと見た三角巾とか迫力がありましたよ。」「そうそう。それにあの生ぬるい風も雰囲気出てましたよ。」
等と返してくる。

上級生達は何かの見間違いかとも思ったが当時はまだコンビニのビニール袋も携帯出来る扇風機も無い時代、思い返してもその日は風が出ておらず見間違いようもなければ生ぬるい風など出せやしない。
結局それらの正体は分からないまま合宿は終わり、未だに何だったのか分からずじまいだそうな。

…正体は一体なんだったんだろうね?
怪談話4の続き