怪談も徐々に増えてきたね…でもまだまだこれからだよ。
今回の話は「幻」のような話。

それは小学生の頃、蝉の声も泣き止まないような蒸し暑い夜だった。
昔から小学校の裏側の方に家があるOは夏休みになってからずっと遊びほうけていた。

そして夏休みが終わる一週間前に宿題を急いでやるのが毎年恒例の行事でもあった。
その時Oはいつもより早く片付けたい一心で夜遅くまで宿題をしていたそうな。
しかしずっと集中していられる訳もなく、ふと息抜きにぼーっと小学校の方を眺めていた。
すると中庭の方が赤らんでいる事に気付く。

はて、あんなところに明かりなんてあったかな?と疑問に思ったOは何なのか確認したいと思い始めた。
もしかして花火かも知れないとも思ったが時計は夜中の2時を指している。
こんな時間に小学校に忍び込んで花火をする輩なんている訳がない。
と、するとあの明かりの正体は…?

考えれば考えるほど気になりいてもたってもいられなくなる。
とうとうOはそっと家を出て確認しに行く事にした。
幸い門はそんなに高くなく侵入は難しい事ではなかった。

少し駆け足で小学校の裏門に着くと門を乗り越えて左手の方に曲がる。そして砂場のある開けたとこから右の方に行き渡り廊下を過ぎると中庭に着く。
道はそんな長いものではなくすぐに砂場の近くまで歩いていく。

怪談話5