話は昨日に溯る「あの…」
いつものように少し申し訳なさそうな声で呼ばれる。もう少しフランクな感じでも構わないのだが「その・・・・バレンタインって何ですか?」
ふと、カレンダーをみてみれば今日は2月13日……明日はバレンタインである
俺は縁が無かった為、すっかり忘れていた。
彼女がいた幻想郷とここでは文明に結構な差があるらしい
多少なりともこちらの物が流れ着くのだが、使用用途が分からなかったりするらしい
そのためこちらの事には無知に等しいとも言える。電化製品の説明には苦労したものだ
話を戻して、バレンタインについて説明してあげる。大妖精の目がキラキラと輝きながらこちらを見つめている
相当興味があるようだ「…私も…チョコをあげてみたいです」
説明をしてる過程で思っていた事がある。そう、仮に作ったとして誰にあげるのかが確定してる事だ
まだあまり外に出ないので知り合いのいない大妖精がチョコをあげようとしているのは間違いなく俺だと言う事
そう考えると大妖精は本人の前でチョコ(しかも本命)をくれると普通だったら恥ずかしい事極まりない事を宣言しているのだ
勿論、当の本人は気付いて無い。気づかせて赤面しているのをニヤニヤするのもいいが、大妖精のチョコを早く食べたいと言う気持ちの方が強い
余談だが、大妖精は家事のスキルは中の上。家電もある程度使えるようになったので大抵の家事は任せる事ができる
特に料理に関しては、真似で始めたらしいが、腕前は普通に上手い。料理も美味い。これで美味しいチョコを期待しないはずがない「あの…折り入ってお話しが……」
一人妄想の旅路へと旅立っていたが、大妖精の声で戻る。一体何を・・・「チョコって、どうやって作ればいいんでしょう?」
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甘き日2