名前:セラス・ヴィクトリアとヘルシング機関一同

『THE DAWN』完結まであと140ヶ月

パーフェクトだ

死都、ロンドンで迎えた三つ巴の最終決戦
第9次空中機動十字軍は大打撃、必死の抗戦も虚しく惨敗だった
ロンドンに響く亡者のうめき声、どこからか聞こえる「第10次は200年後だな」の声
串刺しにされていく兵士達の頭上、大司教マクスウェルは独りガラス箱で泣いていた
教皇命令で手にした栄冠、権威、権力、そして何より信頼できる戦力・・・
それを今の13課で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「畜生(ジーザス)・・・」マクスウェルは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、マクスウェルははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、硬化テクタイト複合の強化ガラスの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って宗教裁判に出なくちゃな」マクスウェルは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、マクスウェルはふと気付いた

「あれ・・・?十字軍がいる・・・?」
ガラス箱から飛び出したマクスウェルが目にしたのは、広場を埋めつくさんばかりの兵士だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように武装ヘリの銃撃音が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするマクスウェルの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「マクスウェル、聖戦の時間だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったマクスウェルは目を疑った
「ハ…ハインケル?」  「どうしました局長、居眠りでもしてたのですか?」
「ア…アンデルセン先生?」  「どうした、懐かしい呼び方だな」
「由美江・・・」  マクスウェルは半分パニックになりながら戦場を見下ろした
クールランテ剣の友修道騎士会340名、カラトラバ・ラ・ヌエバ騎士団118名、聖ステパノ騎士団トスカナ軍団257名、マルタ騎士団2457名
暫時、唖然としていたマクスウェルだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
マイクの電源を入れ直し、軍勢へと命令を下すマクスウェル、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ロンドン市街で冷たくなっているマクスウェルが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った





……ここでも最後に死ぬのは吉村と村田なんですね。
内川コピペ