阿「おまえは律儀すぎるぜ。それじゃ先に逝った和香子ちゃんも、うかばれないってもんじゃないの」
和香子が死んでから、かれこれ3年が経とうとしている。
それまで俺は可能な限り自分を偽って生きてきた。
そうしないと心が和香子を失った悲しみに押しつぶされそうだったから…。
阿「自分が前に踏み出せないでいるのを和香子ちゃんのせいにしてるんじゃない。お前はもう一人で歩いていける強さを身につけただろ?」
○「……」
阿「それに今のお前は一人じゃない、お前のことを思ってくれる子がいるじゃないか」
和香子を失ったように大切な人を失うような思いはもうしたくない。
だからもう大切な人は作らない。
でも、それは簡単なことじゃなかった。
シャーリー
いつも明るくて俺に元気を分けてくれる。
君がかけてくれた優しい言葉で俺がどれだけ癒されたかわかるかい?
俺はそんな君に惹かれた。
大切な人を失うのが怖いなら、大切な人を作らないのではなく、その人を守れるくらい強くなればいいと君が教えてくれた。
俺はそんな君のようになりたかった。
○「そうだな。ありがとう、阿部っち」
阿「礼にはおよばない、一発ヤらせてくれるならな」
○「それは勘弁してくれ」
……