ミ「ふぅ、やっと終わった…」

首を回すと小気味よい音がする。けっこう凝ってるわね…。
でも上層部との喧嘩も少し楽になったわ。〇〇さんのおかげかしら…。

〇「ミーナ、入るぞ?」

そう思っていると本人が入ってきた。お茶を淹れてくれたみたい。

ミ「あら、ありがとう。ちょうど終わったところだったの」

お疲れさん。そう言いながらお茶を渡してくれる。

ミ「いい匂いね…、扶桑のお茶は上品な香りがするわ」

ひそかに私はこの時間を楽しみにしている。
疲れた体に彼の淹れてくれたお茶と彼の笑顔は染みる。私にとっての栄養剤みたいなものね。

〇「そうそう、今日整備の奴らがな――」

そして決まって今日起こった面白い話を聞かせてくれる。不謹慎かもしれないけど、これがあるから仕事を頑張れるって言っても過言じゃないわ。

〇「そしたらトゥルーデがエーリカに――」

……満たされた時間。彼と過ごす時は心を温かくしてくれる。



だからこそ、思い出してしまう。あの悲しい出来事を。



クルト…。

〇〇さんはなんとなくクルトに似ている。私を支えてくれる所とか、女の子扱いしてくれる所とか…。




……最低ね、私。
〇〇さんをクルトの代わりみたいに思ってる。
これほど二人に対して失礼なことはないわ…。


〇〇さんとクルト…。
私は誰が好きで誰と一緒にいたいの…?

〇「…ミーナ?」

ミ「え…、あ、ごめんなさい。そ、それで?」

私はいまだに彼の笑顔をまっすぐ見れない。

そろそろこの感情とも決着を付けないと……。
ミーナは俺の嫁