兵「やーっ!やーっ!」

坂「声が小さいぞ!!もっと腹から声を出せ!!」

ブリタニアでのネウロイとの戦いで魔力の限界を悟った私は扶桑に帰国し、新兵の教育にあたっていた。さすがにこれ以上戦場にいてもみなの足手まといになるだけだからな……。

…我ながら情けない。自分一人ではなく、宮藤まで道連れにしてしまったのだからな…。

(いいんです。みんなを、大切な仲間たちを守ることができましたから!)

宮藤はああ言ってくれたが、つらかったに決まっている。
戦場に連れてきたのも私、戦場から追いやったのも私…。
ははっ…、どうしようもなく勝手な奴だな…私は…。

○「おい、美緒。…おい!もっさん!」

坂「え…、あ、○○…」

○○、私と同じく扶桑の軍人をやっている。最近、よくここに顔を出すようになった。

○「何ぼーっとしてんの、昼休憩の時間だろ?」

坂「お、おお、そうだったな。全員!昼休憩だ!」

そう声をかけると新兵たちがぞろぞろと食堂へと向かっていった。




坂「それで、何の用だ?」

○「別に?なんとなくフラフラーっと来ただけ」

『心配して見に来た』○○の顔にはそう書いてある。
いつもこんな調子で私の様子を見に来てくれている、こいつはそういう奴だ。

坂「…今はカールスラントだったか?」

○「ああ、ミーナとも一緒だぜ」

ミーナか…、あいつにも度々心配をかけてしまったな。

坂「…何か言っていたか?」

○「『新人達をいじめすぎないように!』だってさ」

坂「はっはっはっ!ミーナらしい言葉だ!」

そのあともしばらく雑談に花を咲かせていた。

はじめて501に来た時どうしようもない奴だとおもっていたが、見る目を変えねばならんな。
みながこいつに惹かれていたのも今ならわかる気がする。

○「さて、お前の元気そうな顔も見れたしそろそろ行くわ」

坂「そうか…、うん、わかった、飛行場まで送ろう」

もう少し話していたいとは思う、しかし○○だって暇ではないはずだ。貴重な休みを私ごときにさいてくれているのだから私に引き止める権利はない。

○「じゃ、またな」

坂「ああ、しっかりな」

それに○○ならまた来てくれる、そう確信が持てるからな…
美緒は俺の嫁