名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

—朝倉研究所

「…という訳で、どうでしょうか、まいな様?」
「うん、おっけーだよ、犬さん!」
まいな様は、僕の出した提案を快く受け入れてくれた。
「そんなことよりも根本的にみて、二等人民っていう階級があること事態が問題なのかもしれないね…」
僕が出した提案は、至極簡単なものだった。
リグルは独特の姿をしているだけあって、体質も一般的な人間や妖精、妖怪たちと違うはず。
だから安全な身体調査に限り、朝倉研究所での研究に協力する。
その代わり、さおり様に差別の撤廃を求めるために協力して欲しい、という提案なのだ。
「さおりちゃんは、お化けや虫が嫌いだったから…
だから、こんな階級を作っちゃったのかな…」
まいな様が、どことなく申し訳なさそうに漏らす。
それが聞こえたのか、リグルは心配そうな表情で、まいな様の顔を見ている。
「あっ!
でも、さおりちゃんはとっても優しいから、きっと分かってくれるはずだよ!
うん、だから安心して待っててね☆」
その目線に気がついたのか、まいな様がリグルを安心させようと笑顔をつくり、ウィンクをプレゼントした。
「本当に?」
「うん、まいなに任せて!」
これで、前々からの問題が一つ解決した。
まいな様が「まいなに任せて!」という言葉を使ったときは、ほぼ間違いなく、それは実行されて成功するのだ。
だから、もう何も心配はいらない。
する必要はないのだ。
でも…なんだろう。
なぜが、僕には嫌な何かを感じてしまう…
そして、この嫌な予感も、それを感じたときは、ほぼ間違いなく確実に何らかの形で当たってしまうのだ。


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