名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

-27日目
この豚小屋に閉じ込められてから、27日目の朝を迎えた。
この日を迎えるまでに、左隣と真正面の牢獄に入っていた男性2人が、青い顔を更に青くして連れ去られていった。
彼らはどうなったのだろうか。
少なくとも今日に至るまでに、彼らが此処へ戻って来ていないのは確かだ。
そういえば、今朝から何やらと外が騒がしい。

落雷だと?
はい、そのようです。
なんでも、タトラの上に落雷したとか、していないとか。

ハハハッ!
吉兆ではないか。
祖国の神々が、我が人民解放軍を讃えているのさ。


何を寝言を。
解放されたのは、お前たちの欲望だけじゃないか。
少なくとも、服従を拒んだこの俺には『解放』の二文字は存在していない。
あるのは絶望の二文字だけだ。

た、大変です!
各地で反革命主義者どもが蜂起し、人民軍がその対処にあたっています!

素手で戦車に勝てるものか。
時期に鎮圧されるだろう。

それが…素手で戦車が破壊されたという報告が。

素手で戦車を破壊出来るはずがない。
この兵士、新しく入隊したばかりで場慣れしていないのだろうか?

バカ、寝言を言うな!
寝言ではありません、同志軍曹!
寝言ではないですから…
ですから、この反逆者どもを直ちに処刑せよという命令が下っているのです。

誰の命令だ?
同志女王陛下からです。

一番偉そうに、日頃からふんぞり返っている奴が呆然と立ちすくみ、書類をただただじっと見つめている。
なるほど、どうやら狂気の沙汰のような話は、寝言ではなく事実だということか。
どういうロジックでそうなったのかは知らないが、ここは一発試してみる価値がある。
まずは手始めに、この扉をふっ飛ばしてみるか。


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