何かを殴るなんて、本当に久しぶりだ。
うまくいくだろうか。
確か、こう…握りこぶしを作って、腕を引き…ねじり込むように撃つべし！

ドォーン…

！？

おぉ、うまくいった！
本当に扉が吹っ飛んだぞ！
…幸か不幸か、真正面の哀れな男性が不在となっていたため、自分の拳で傷つける第一犠牲者が、同じ男性となる悪夢は避けられたようだ。
ものの見事に、真正面の牢獄もポッカリと扉が吹き飛び、二枚の扉の残骸が壁へとめり込んでしまっている。

暴動だ！
皆殺しにしろ！

どうやら、感動に浸っている余裕はなさそうだ。
きっと、飛び出した瞬間に蜂の巣にされることだろう。
それに、力が与えられたのは全員のようではないらしい。
別の牢獄からは、虚しく壁を叩き続けている音が聞こえてきている。
さて、これからどうしよう。


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