「そうか…
あの拷問を受けて、正気を保ってられる方が珍しいってもんよ。
お前、何かやっていたのか?」
「いや、何もやっていない。
奴らが口酸っぱく『貴様の目的はなんだ!?
この体制を崩壊させるつもりか!?』と聞いてくるたびに、俺が
『違う、話をしたいだけだったんだ!
俺は言葉で解決をしたかったんだ!』と答え続けていたことだけは覚えている」
「なるほど、モヤシの理想家さんだったというわけか」
「少なくとも、今はモヤシではなさそうだけどね」
互いに胸を小突きあう。
なんだか、懐かしいような感じがした。
「モヤシ、これからどうするんだ?」
「まずは、此処がどこかを突き止める。
話はそれからだ」
「それなら、答えは既に出ているぜ、ここはプラハの郊外だ。
ジョーオーサマの、お膝元ってとこよ」
どうやら、突き止める必要はなさそうだ。
俺が助けた、別の男が現在地を教えてくれた。
「本当か?
それなら、この勢いでプラハ城へ乗り込もうぜ!
今なら、やれるぞ」
確かに、その通りだ。
だが、本当にうまくいくのだろうか?
俺たちは、総勢4名しかいない。
武装といえば、さきほど全自動で気絶してくれた兵士が持っていたものしか持ちあわせていない。
これで、どうやって戦えばいいのだろうか。
…2585a