名前:観月しおり&観月さおり

バカ犬の命がお嬢様に弄ばれた回数359回

幸せです、お嬢様…

遠くから砲声が聞こえる。
どうやら、反乱軍は此処へと突進してきているようだ。

「どうやら、おっぱじまったようだぜ?
パーティ会場は、すぐそこだ。
行こうぜ、モヤシ!」

アントニーンが俺に向かって言った。
どうやら、モヤシという名前が定着しつつあるそうだ。
他の仲間たちも、彼の後をついてきている。

「そうだな。
まずは、此処から抜け出す方法を考えなくては」

タッタッタッタッタッ!

兵士の足音だ。

「敵兵だ、隠れろ!
俺がなんとかする!」

アントニーンたちに向かって指示を出す。
彼らは一目散に、かつていた豚小屋の中へと飛び込んだ。

いたぞ、撃て!

豆鉄砲の弾が、身体にあたる。
しかし、どうってことはない。
俺は構わずに前へと進んだ。

「撃つのをやめろ、話がある」

…………。

返答無し。
こいつ達は、本当に俺たちのことを人間だと思っていないようだ。
相変わらず、無意味な弾を撃ち込んでくる。
しかし、それも階段を登り始めるまでのことだった。

化け物め!
退っ…!?


逃げようとする指揮官を、俺は逃さなかった。
グイッと服を掴み、豚小屋の方へと再び戻る。
聞きたいこと、質問をしたいことが山ほどあるのだ。

クッ…!
離せ、ファシスト!
奴隷以下の分際で…!



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