遠くから砲声が聞こえる。
どうやら、反乱軍は此処へと突進してきているようだ。
「どうやら、おっぱじまったようだぜ?
パーティ会場は、すぐそこだ。
行こうぜ、モヤシ!」
アントニーンが俺に向かって言った。
どうやら、モヤシという名前が定着しつつあるそうだ。
他の仲間たちも、彼の後をついてきている。
「そうだな。
まずは、此処から抜け出す方法を考えなくては」
タッタッタッタッタッ!兵士の足音だ。
「敵兵だ、隠れろ!
俺がなんとかする!」
アントニーンたちに向かって指示を出す。
彼らは一目散に、かつていた豚小屋の中へと飛び込んだ。
いたぞ、撃て!豆鉄砲の弾が、身体にあたる。
しかし、どうってことはない。
俺は構わずに前へと進んだ。
「撃つのをやめろ、話がある」
…………。返答無し。
こいつ達は、本当に俺たちのことを人間だと思っていないようだ。
相変わらず、無意味な弾を撃ち込んでくる。
しかし、それも階段を登り始めるまでのことだった。
化け物め!
退っ…!?逃げようとする指揮官を、俺は逃さなかった。
グイッと服を掴み、豚小屋の方へと再び戻る。
聞きたいこと、質問をしたいことが山ほどあるのだ。
クッ…!
離せ、ファシスト!
奴隷以下の分際で…!…2586a